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川上未映子の「ヘヴン」

ヘヴン

ヘヴン

 

 百瀬との会話のシーンは、「金閣寺」の柏木との会話のシーンにも似た迫力というか存在感があった。ちょっと高い位置からなんつーか世の理みたいなものを説くちょっと浮世離れした人物。主人公は頭では必死に「そんなはずはない」と思おうとするものの、強力な説得力によって大いに悩まされてしまう。

 

 でも反面、コジマがあーゆー身なりをする理由ってのがちょっとあまりに技巧的に作られている感じがして、あざとさが出てるというか。まーわっしはリアリティ至上主義でもなんでもないのでそこまで気にならないですが。